平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。

平成30年度順天堂大学硬式野球部監督の古籏正隆です。


このように文面でメッセージさせていただく機会があることに改めて感謝申し上げます。


順天堂大学硬式野球部は、この文章をご拝読頂いている全ての方々のお陰で活動することができています。

部長の水野先生、副部長の窪田先生、名誉部長の中島先生をはじめとする多くの先生方、東都で一番の応援をしてくれる保護者の皆様、いつも温かく見守っていただいたOBの皆様、順天堂大学硬式野球部に関わる全ての皆様に深く感謝申し上げます。


「2部昇格」そして「10年残る伝統を創る」

私の監督生活はこの決意から始まりました。


結果は春季3部リーグ優勝、入替戦1勝2敗

   秋季3部リーグ2位

というものでした。


本当に選手はよくやってくれました。

幸せな監督です。

春16年ぶりに2部の壁に手をかけ、秋も最後の最後まで優勝争いをさせてもらいました。


東都大学野球連盟は戦国東都と呼ばれ、日本トップレベルのリーグです。

1部2部のレベルは高く、3部チームが2部に昇格するには至難の業だと言われています。

最初は皆、2部に上がるつもりで入部してきます。しかし、2部の屈強な壁に跳ね返され、現実を知り、いつしか心の中で「無理だ」と唱えるようになります。

でも本当に無理なのか。

この4年間、多くの挫折する姿を見てきました。

ですが、このチームは最後の最後まで、自分と共に「2部昇格」に手を伸ばし続けてくれました。

葛藤があったはずです。

プロになるわけでもないのになぜこんなに野球を一生懸命やっているんだろう。

もしかしたらそんな思いもあったかもしれません。

それでも必死に挑戦してくれた皆の選択を正解に変えたかった。しかし、力が及びませんでした。

監督として、一人の男として、本当に不甲斐なく思います。


応援してくれている皆さま、一緒に夢を見て頂きましたこと、一生忘れません。

本当にありがとうございました。

チームの夢は、いつしか皆様との悲願になっていました。

それを感じれば感じるほど、結果で完結させることができなかったこと、本当に申し訳なく感じるばかりです。


さて、既に新チームが始動いたしました。


順天堂大学硬式野球部は学生野球を伝統とする組織です。

毎年、監督が変わり、チームのカラーもその代によって異なります。

その中で強くなっていくのは本当に難しい。考え続けた4年間でした。

「不易」と「流行」。

「変わってはならないもの」と「変わるべきもの」それらをいかに見極め、次世代へ「伝統」として繋いでいくか、それが強いチームになる方法です。

それらが10年積み重なった時、二部で勝つことも夢ではない、本気でそう思います。

ですが、この大願は決して一人の頑張りでは達成されません。

先生方、保護者の皆様、OBの皆様、ファンの皆様、そして何より現役生、多くの力の結集がこの挑戦を正解に変えるには必要です。

この組織はもっと素晴らしい組織になると心の底から思います。

今後とも順天堂大学硬式野球部にお力添えいただきますよう心よりお願い申し上げます。


私の監督としての仕事は正真正銘、このメッセージが最後です。

最後に出てくる言葉、それはやはり感謝です。

不祥事で大会に出れなかった高校最後の夏、どうしても叶わない夢もあると知りました。

「もう野球はしない」そう思いました。

しかし、私にとって「野球」という競技はどんなスポーツよりも素晴らしいものでした。

スポーツは、多種多様な人間を一つの方向に向かわせてくれます。

しかし、「野球」ほどこれほどまでに人を惹きつけ、魅了し、心を震わせるスポーツを私は知りません。

そう思わせてくれたのは、これまで野球で出会ったたくさんの仲間、沢山の方々との大切なご縁のお陰であります。


一緒に同じ夢を見てくれたこのチームの一人一人が私の誇りです。

特に4年生。長く暗い時期から、共に夢を見てくれてありがとう。


毎日、グラウンドに行く理由を与えてくれた後輩達、本当にありがとう。

行けるぞ、勝てるぞ、絶対に無理じゃない。

お前らならできる。できないことなんて何もない。

多くの方々が心の底から応援してくれています。

それを力に変えて、今度こそ歴史を変えきってください。

来年度は、今年を超える最高のチームができると確信しています。

心より応援しています。


一年間、本当に支えられました。


全てのことにありがとう。


平成30年度硬式野球部監督

古籏正隆